神社はなぜオレンジ色で塗られているところが多いの?・・・が深い想像の世界へ展開

アメリカ人の友人と京都歩いていてちょうど八坂神社の横で質問されました。「なぜ日本の神社はオレンジ色をたくさん使っているのですか?」という質問でした。「ええっ?こんなことを聞くの?」と思いつつ宗教上の何かがあるのかもしれないという返事だけして、よくわからないので調べておくよと答えてその場は乗り切りました。実際の答えがわからないだけではなく、英語で答えられないのでやむを得ず先延ばしで対応してしまいました。

そこで、帰宅していろいろと調べてみると、なるほどと納得するとともに、ひょっとするとという興味深い仮説を想定してしまいました。

日本の神社で朱色が使われている3つの理由

鳥居や建物の柱や梁などが朱色に塗られているのを数多く見ますが、その色の目的については考えたことはありませんでした。それでいろいろな情報を調べていると、3つの大きな理由がありそうだということがわかりました。まとめると、

1つめは物理的理由であり、防腐・防虫効果のある塗料として使われていた
2つめは精神的理由で、腐食せず腐敗しないことから、魔除けや病魔に効果があると信じられていた
3つめは宗教性として、古くより太陽が神として崇められており、太陽や炎のイメージとして朱色で表現していた
ということでした。

朱色の理由と違和感

朱色は古くから「丹(に)」と呼ばれています。 この丹を作るには水銀と硫黄を加工して「硫化水銀」を作り、朱色塗料の原料として使用していました。水銀も硫黄も毒性の強い物質であり、これらが防腐・防虫の効果をもたらすようで、それを知った昔の日本人は長期にわたって存続させるべき神社などにこの丹を含む塗料を使って木材を塗装していたようです。

このように答えてあげるとありがとう。「よくわかったよ。」と返事が来て、一見落着。
しかし何かしっくりいかないところがあって、この資料をながめていました。

神事と病気のつながり

「この塗料を作っていた人は神聖な業務であったと認知されていたのであろうが、長期にわたり水銀などを扱うことになり、水銀中毒になっていたのではないか?」と想像しました。

というのも、現代のように安全対策を取れるわけではない時代なので、塗料を作っている人や塗料を扱う人は水銀中毒の症状で苦しんでいたのではないかと考えたわけです。

生贄の儀式なのかどうか?

さらに飛躍した仮説にはなるのですが、昔は「生贄(いけにえ)」という行為があったと聞きますが、この行為は「神をおさめる・なだめる」ために行っていたのではなくて、「神にお願いをする」ためにやっていたのではないと考えました。

では何をお願いするかと言うと、「水銀中毒に悩み苦しんでいる神事のために働く人たちが、こころ安らかになるように、病気から助けてあげて欲しい」ということを願っていたのではないかと考えました。

苦しみから救えるのか?

当時の神に仕える祭司(巫女さん?)は優しい方で、神事に対し熱心に取り組んでもらっている丹(に)を含む塗料を作ったり取り扱ったりする方々が、水銀中毒で苦しんでいる姿を痛々しく感じておられた。それで神に治してもらいたい助けてもらいたいと願ったですが、願いだけでは叶うかどうかわかりません。そこでそのような人たちを神に預けて助けてもらうという形で生贄=安楽死という形をとったのではないか。神のもとに行くことで苦しみから解放されるということで祭り事を行っていたのではないかと考えました。

想像の世界です・・・

あくまで私の勝手な想像の世界であり、裏付けはありませんし正しいかどうかもまだわかりません。ただ「神社の朱色はなぜ?」という素朴な疑問からでも、大昔まで思いが広がるのは楽しいものです。このような仮説をゆっくり調べてみると、さらに興味がわくだろうなと感じた次第です。

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