イオンの新発泡酒バーリアルグラン価格改定 実質値上げでも納得のすごい戦略

イオン系列のスーパーマーケットに行くと、プライベートブランドトップバリューのビールテイスト飲料バーリアルBARREALがバーリアルグランBARREAL GRANDという発泡酒になって新発売となりました。レギュラー缶1本の値段は新ジャンルのときの78円から108円に変わっていました(消費税抜き)。第3のビールから発泡酒になったので税率が変わり値段が高くなるのはわかるのですが、どうも一気に上がったなというところがあるので、ビジネスモデルキャンバスを使って整理してみました。
するとまずは昨今の原料費高騰の余波を受けてやむを得ない大きな価格変更に踏み切ったのだということがよくわかりました。
ただ単なる値上げに見せず、お客様に納得してもらう素地を持たせた上での実質値上げとなる価格改定である事がわかり、非常に面白い手段であると改めてイオングループの凄いところを見せつけられました。

ビジネスモデルキャンパスで整理する

発泡酒バーリアルグランのビジネスモデルキャンバスを描くにあたって、まずCS顧客セグメントは、安くビールテイスト飲料を飲みたいが値上げ値上げで困っている消費者とおきました。

そしてKRキーリソースとしては、イオン系列の販売網を使って販売するのですが、KAキーアクティビティは、新ジャンルから発泡酒に変更しての税率変更を含む価格改定です。KPキーパートナーは、酒税免許の点から自社では作れないので、ビールメーカーで製造してもらうことになります。

次にCHチャネルは、プライベートブランなので特にテレビCMなどあるわけではなく、スーパーマーケットの店頭売り場での陳列によるアピールとなり他の発泡酒や新ジャンル製品と値段を比較しながら購入という形になります。またあわせてネットでの評判を見ての購入になるのだと思います。

CR顧客との関係のマスで、継続的に買うかどうかは今回新ジャンルから発泡酒への変更と78円から108円への価格改定が納得できる要素かどうかだとい思われます。新ジャンルから発泡酒への酒税のランクアップがされているので、値上げに対する納得感も生まれてくるのではないかと思われます。

VP価値提案としては、原材料の高騰しているので値上げをするのだが新ジャンルるから発泡酒に変わることで酒税が高くなるので、酒税以上の価格改定となってもお客様にとっては納得度が上がることになる可能性がでてくるわけです。酒税のカテゴリーが変わるだけで中味がどれだけ変わるのかどうかはわからないのですが・・・

価格とコストを考えるR$とC$

ではどの程度の実質値上がりなっているのかというと、販売価格が消費税抜きで78円から108円になっています。酒税は新ジャンルから発泡酒になるにことでレギュラー缶1缶あたり37.8円から46.99円となり約10円程度の差になります。それが1缶あたり30円の値上がりという事は実質20円分は、原材料費の高騰と利益率をアップを考慮した価格改定では無いのかなと思われます。もちろん新ジャンルと同じ原料では発泡酒は作れないので、原料費は価格高騰分以上に必要となるはずですが、余裕をもった価格改定になっているのではと考えています。

さらに秋の酒税改定にむけての早期対策

2023年秋にはビールテイスト飲料の酒税が変わります。新ジャンルがなくなりすべて発泡酒に統合されることになります。そのため秋の段階では大手のビール会社は新ジャンルから発泡酒へ切り替える必要があり、酒税分の10円は値上げせざるを得ません。しかしイオン系列のトップバリュー製品であるバーリアルグランは、秋の段階では発泡酒にすでに変更しているので値上げせずに済みます。先に値段が変わっているだけなのですが感じ方は違う気がして良い戦略だと思います。

まとめ

このようにイオングループのバーリアルが新ジャンルから発泡酒への変更に絡ませた78円から108円の価格改定は、酒税という部分を効果的に使った実質的な値上げであるとともに、利益率も上げる非常にうまい手段であると感じた次第です。発泡酒になって酒税ランクが変わるとともに、原材料もビールに近くなるはずなので、お客様にとっても何か良い方向に変わってくるのではないかという期待感も持てます。このようなところは、しっかりと顧客満足を考え続けている会社であり素晴らしいことだと感じる次第です。

お味の方はどうなのか。早く購入して試したいところです。桜の花も満開なので、BARREALGRANDを何本か購入して花見を兼ねてでかけてみましょうか。

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