関西の新年行事「えべっさん」と全国に広がる福男選び
1月10日は関西では「えべっさん」として親しまれている日です。この日は全国的にも有名な西宮神社の「福男選び」が行われる日でもあり白熱しています。今年の福男は誰だったのでしょうか?さらに、私は今年から岐阜でもこの行事が開催されることになったと聞き、全国的に広がる楽しい企画としてさらに注目しています。
「戎さま」と「酉の市」に見る商売繁盛の祈願文化
えべっさん、正式には「戎さま」は商売繁盛の神様として知られています。関西では戎さま、関東では「酉の市」といった形で商売の神様に感謝を捧げる風習がそれぞれ存在することを私は面白く感じます。えべっさんは1月9日の宵戎、10日の本戎、そして11日の残り戎と、3日間にわたって関西各地の戎神社で行われる行事です。
青々とした福笹に込められた縁起と家族の思い出
えべっさんの特徴的な風景といえば、青々とした福笹に縁起物を飾る姿です。鯛や小判、米俵といった福々しい飾り(吉兆)を笹に付け、その重みで垂れ下がってくるのです。この習慣は、子供の頃に父親から“重みで笹が垂れ下がるほど縁起が良く、商売繁盛する”と教えられたことを私は今でも思い出します。
エンジニアの視点で見る福笹と自然保護のつながり
さて、福笹を目にして私がふと思ったのが、古くからの日本の風習には、知らず知らずのうちに自然を守る要素が組み込まれていたんだということです。この考えは私がエンジニアとしての観点から見てなのですが非常に興味深い点です。例えば、笹や竹は山が荒れているかどうかを示す「バロメーター」と言われていることを知りました。笹や竹が増えすぎたときに手入れを怠ると、地下茎が地表を覆うことで地滑りを引き起こしやすくなるそうなのです。すべてを刈り取ってしまうとさらに荒廃をすすめることにもなり、適度な量で維持することが重要です。
サントリー時代の経験から学んだ山を守る活動
私がサントリーで働いていた頃、春になると山崎や西山周辺の山々で若い竹を切る活動をしていました。この活動は、竹が繁殖しすぎるのを防ぎ、山を守るための重要な取り組みでした。他にもサントリーでは日本各地で地元の方々と協力しながら山を守る活動を行っています。最近ではその取り組みがグローバルに広がりつつあると私は後輩から聞いています。
昔の人々の知恵と生活に根付いた自然保護のサイクル
昔の人々は、筍を食材として活用することで、竹が増えすぎるのを抑え、山の保全に自然とつながる生活を送っていたのだと私は思っています。同じように、私はえべっさんの福笹も、多くの青い葉の笹を冬の間に刈り取ることで、笹が増えすぎず一定の量で維持されるように、山の管理に寄与していたのではないかと想像しているのです。神事に組み込むことで毎年同じ時期に忘れず刈り取ることができます。このように、生活文化の一部として自然保護のサイクルが組み込まれているのは、人々の知恵の賜物であり、私は素晴らしい日本の文化だと感じています。
福笹を手に商売繁盛と自然保護を祈願しよう
「商売繁盛で笹持ってこい」という掛け声が響き渡るえべっさん。今年も多くの人々が福笹を手に、商売繁盛を祈願したことでしょう。もしまだ福笹を手にしていない方がいれば、えびす神社を訪れてみてはいかがでしょうか?
商売繁盛のご利益を受けるとともに、福笹を通じて日本の自然を守る活動にさりげなく貢献する素敵な機会になるかもしれません。
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