『課長業務の面白さ』ー 人事はパズルではなく積み木です!

『酒類・飲料プロセス技術開発No1』のせんべいが語る『課長業務の面白さ』とは?

「課長の面白さって何ですか?」と尋ねられたことがありました。課長はメンバーに一番近い部署全体をまとめる役目なのですが、「面白さは?」と聞かれて頭に浮かんで答えたこととは・・・人事考課や人事評価?ちがいます。

課長のやくわり

会社によって異なりますが、いろいろな役職があります。対外的な名刺に書くための役職などもありますが、実質的な役割としては、メンバー<係長・リーダー<課長<部長<所属長というような組織体系での役職だと思います。メンバーにも声をかけやすい、係長の相談にものる。そして部の方針を解釈して皆と進めていく。人事異動などの権限はないけれど、一般的にはそういう役目ではないでしょうか。

パズルの完成

「課長の面白さって何ですか?」と尋ねられたことがありました。頭に浮かんでたことを答えましたが、このようなことでした。

部署には、いろいろな個性や能力を持ったメンバーがいます。どのメンバーもそれぞれパズルのピースのようであり、部署の使命や目的がパズルを収める容器にたとえられます。全部のピースをうまく組み合わせて部署というケースに収める。ケースに収めるという意味は、はみ出ることがなくきっちりと確実に仕事をこなして製品を完成させる。しっかりとフォーメーションを固めて1つの形にし、生産活動を安定的に維持することができるいうことです。これはこれで1つの答えだと思います。

確実に良い製品を決められた通り、決められた金額、決められたコスト、決められた品質、決められた数量、決められた納期で確実に作るということでは大事であり、達成できたら嬉しいものです。

ピースを積み上げる

ですがそれだけでは「面白い」とは私はいえません。メンバーが同じパズルのピースのようなものであるならば、容器に収めるのではなく、それを積み木のように上手にできるだけ高く積み上げていきたいと思っていました。

ピースを裏返してみたり、ひっくり返して向きをかえてみたり、どんどん積み上げていき、できるだけ高く積み上げる。崩れそうで崩れない。たとえピースの形がいびつでひとつずつ単独で積み上げる事が難しければ、順番を変えてみたり、いくつかを組み合わせて積み上げてみたりすれば良いのです。向きを変えて、順番を変えて、組み合わせて、バランスをとって、重心をうまくとって積み上げていく。今のメンバーでどれだけレベルの高いところまで到達できるかを考えて、様々な方策を実行して強固なものにしていく。これが課長の「面白さ」ではないかと思っている・・・と答えました。

ピース積み上げと業務の3つの類似点

課長の取れる方策としてはいくつかあります。パズルピースの積み上げのたとえにおける3つの条件が、課長の業務・役割とがっちりむすびついているのです。どの条件を外しても、うまく積み上げるとこができない=成果にならないわけです。

重心

重心というのは、経営方針や部署の方針です。しっかりと芯が通っていないと積み上がりません。部長から展開される方針をわかりやすくメンバーにつたえる。これは、とつても重要な役割です。

向き・方向

向きを変えるというのは、教育です。個人個人の能力アップにより状況判断力が向上しいろいろな場面にも対応できるようになります。

組み合わせ

組み合わせるという意味は、部署内の人事配置人材配置です。適時適材適所というのが大事で、それを課長は係長やグループリーダーと相談して決定する。人事評価・人事考課ということではなく、いかにいきいき仕事をしてもらえるかを考えるという、最もたいへんですが、大きく飛躍できる方策でもあります。

レベルアップ

酒類飲料を生産する工場の課長だったころは、こんな活動を実際行っていました。

もちろん基本はある

基本として、マニュアル・作業標準を読み合わせて正しい作業を覚えてもらう、先輩社員がついて仕事を教える、在庫管理をしっかりして計画通りにきちんと生産できるようにする、品質検査・設備管理をする、などなど。担当者ごとに業務を割り振ってきまった手順通りに製品を作っていくことで多くのお客様に安心してお届けできるものができます。これらの生産活動の基本は、TPMでありTQCという活動です。酒類飲料に限らず、ものづくりに携るどの会社でも実施している有名な活動です。これは本当に基本的なことで最も大事です。

さらにさらに

しかし、これらの活動に加えて特に私が行なっていたのは、メンバーの実力アップ、モチベーションアップでした。例えば、生産工場に商品開発をするメンバーに来てもらい、工場メンバーに対して商品品質に関する講義してもらったり実際に商品開発のデモを体験させてもらったりすることで、モノに関するレベルアップ図ってきました。さらに開発者と顔見知りになり交流が深まることでモチベーションも変わってきます。他にも自主勉強のためという目的で、自分たちの製造プロセスを模倣したモデルプラントを自分たちで作って、極端な実験をすることも行ってました。本プラントでの失敗がどうなるかということを身をもって理解できるわけです。外注せず自分たちですべて作り上げたので、設備保全の部隊の技術も向上しました。

意識が変わる

マニュアルをマニアル通りに作業できるのは当たり前とは言え、その意味がわかることによって、さらに間違いのない間違えたらいけないという意識が重要ではないでしょうか。

海外出張にも行ってもらい肌で色々感じてもらうこともすすめました。予算獲得のために奔走しましたが、出張してもらって一回り大きくなって帰ってきた気がしたのは勝手な思い過ごしかもしれませんが。

パズルのピースがかわる

メンバーがどんどんレベルアップしていく、すなわち積み上げるピース自体が変な形のピースからきれいな直方体や立方体の大きなピースに生まれ変わっていく。そうなればさらに高く、高く、積み上げることができるようになる。それが課長の面白さではないかと思っています。

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