もしアイデア出しであなたの発想が倍増することになったらどうしますか?

”酒類・飲料プロセス技術開発No1”せんべいが語る『アウトプットでアイデア倍増』とは?

何かアイデアを思いついた時にどうしていますか?簡単なメモをとっている方も多いと思いますが、全体像を思い出せますか?そんなときは、絵にして残すと良いです。文字で後から読んでもわかるように書くよりも、絵にすることで情報量が増え時間もかからない。なぜそのようにするのが良いのか?アイデア出しに活用できるのか?

どうしてその時のひらめきが思い出せないのか?

展示会などに行った時に「これは使えるぞ!」と感じる時はどんなときでしょうか。またそれを感じたときにどうしていますか?ある機械を見たとき、使えるぞと思ってもその機械の全てを覚えることなどできません。機械の特徴を記憶することになりますが、見ただけや説明を聞いただけでは記憶に残っていないのでは?パンフをもらったり写真をとったりしても、会社に帰ると「この写真は何だっけ?」となっていることはないでしょうか。

どれだけパンフレットを見ても一緒です

私も若いころは、展示会への出張すること自体が楽しく、名刺を配りまくりパンフレットを貰うだけ貰って重い手提げ袋を持って帰ったものでした。いただいた会社様には申し訳ないですが、なぜ貰ったかもわからず捨てるだけでした。そのうち、現地で選別して持って帰る量は減って行きましたがそれでも、会社に戻ると「何だっけ?」となってしまうのでした。

アイデアが消えてなくなる

そのうち、説明を受けながらパンフレットにメモをしていくことを始めました。その設備の特徴や能力などうなずきながら書いてました。でもパンフもらってメモしても、写真をとってもその瞬間だけで忘れ去られてしまい、会社に帰るとメモの意味がわからない状態でした。もちろんせっかく思いついたアイデアがそのまま消えてなくなります。

アウトプットで記憶に残る3つの理由

それで始めたのが、実際に応用してつかった姿のアイデアを絵にすることでした。というのも実際に使っている姿までをイメージすることで、3つの大きなメリットがあったからです。1つ目は、必要な機能をピンポイントで記憶することで多くの情報を記憶しておくことができる。2つ目は記憶した情報は他のアイデアにも応用しやすくなる。3つ目は、単純に書いたアイデアが自分の資産として残る。ということです。

驚くべき記憶の秘密

脳はストーリーで覚えるというのを聞いたことはないでしょうか?コンピューターのハードディスクはインプットされた情報をそのまますべて記憶します。そのため膨大な記憶容量が必要となります。しかし人はコンピュータと違い、五感で得た情報をそのまま脳で記憶するのではなく、パーツパーツに分けて記憶するそうです。そして思い出す時は記憶したパーツとパーツをつなぎ合わせてストーリーにすることで、再現するというものです。
脳が効率的に多くのことを覚えていられるのは、記憶のパーツを繋ぎ合わせてストーリーにしているからです。

納得!お年寄りの反応

なのでたまに間違ったパーツを組み入れてしまうことになるときがあり、「記憶違いかな・・」となるわけです。
お年寄りの反応が遅いのは、パーツパーツはそろっていても繋ぎ合わせるのに時間がかかるからで、繋ぎ合わせる機能が順番待ちになっているからだと私は考えています。よくあることですが、お年寄りが随分時間がたっているのに、質問していた内容をおもむろに答え始めたりしているのもそのせいだと私は思っています。

記憶に残る3つのポイント

さて3つのメリットを具体的に考えてみると次のようになります。

「必要な機能をピンポイントで記憶する」

まず1つ目の「必要な機能をピンポイントで記憶することで多くの情報を記憶しておくことができる」です。気になる機械があったとしてもどうせそのまま使える機械などあるはずもなく、そのプロセスの一部を使いたいということが多いわけです。機械全体を記憶するには無理がありますので、必要な機能の部分のみを利用したイメージを書き出すことで、その部分が強調されて記憶に残ります。必要な部分は詳細なパーツとして脳に残り、その他の部分はまとめてその他の部分で記憶されます。そして機械を思い出すときは、詳細パーツ+その他の部分で紐づけて思い出すことになります。

記憶した情報は他のアイデアにも応用しやすくなる

2つ目の「記憶した情報は他のアイデアにも応用しやすくなる」ですが、鮮明に脳に記憶されていれば、アイデア創出しようと考えてるときに組み合わせ候補として採用されやすくなります。ぼやーっと記憶しているその他の部分的扱いだと何を組み合わせようとしているのか脳が理解できず捨てられてしまいます。パーツが鮮明になれば記憶も確かになり利用もできる。逆にいうと違うパーツを組み替えやすくなるということです。

書いたアイデアは資産として残る

3つ目の「単純に書いたアイデアは資産として残る」は、そのもので溜め込んでいけば、芸人さんのネタ帳と同じでふとした時に思い出して探すこともできます。すべてのアイデアを間違いなく記憶することはできません。しかし書き出すことによって不要な部分を覚えなくてよく、脳には断片と書いたという記憶が残るので、探し出すことも可能となります。

非常識なプロセス機器の使い方

こんなことがありました。あるとき排水処理工程で粒状のものを投入しながら連続処理をするプロセスを設計することになりました。そのときパッと浮かんだのがホモミキサーという粉体を連続溶解する装置の投入部分の漏斗でした。この装置は粉体のダマや固まってしまったものを完全に粉砕して連続溶解するという画期的な装置なのですが、今回のプロセスには合致しない。そこで粉砕しないで適度に混合しながら連続処理する方法を考え、その装置から粉砕機構をはずしてしまい、プロセス装置に組み込み目標の機能を発揮させることができました。
このようにホモミキサーを連続粉体用溶解装置としてしか認識していなかったらこのプロセスをつくることができなかったでしょう。粉体投入機構、液体・粉体の混合機構、粉粒体の粉砕溶解機構などパーツとしての記憶がこのプロセスを構築できた鍵になっています。

アイデアをいつでも書き出す「基本のき」

さて、思いついたら紙に書く。紙に書き出すことが「基本のき」です。
ある本に手を動かすことはタイピングの何倍もの脳の機能を使うとありました。すなわち脳の記憶領域の活性化だけでなくつなぎの機能も強化されるということです。

私の机には、いつも失敗コピーの用紙が束で置いてあり、ふとアイデア思いつくとその裏紙に絵と共に描いていました。展示会だけでなく、雑誌やダイレクトメール、会議中の誰かの意見などでふと思いついたことをすぐに絵にして残しておくのです。
見返すことはあまりないのですが、書き出すことで案外必要なことは覚えているものです。脳に興味を持った機能のパーツが残っているのでしょう。脳にパーツとして残っていれば、あどは組み合わせていくだけなので、アイデアは倍増・無限大です。ちがった組み合わせをすることで新たなアイデアも生まれます。

紙に絵を描くアウトプット法をお試しあれ。

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