見逃せないアイデア出しの基本条件整備術『アイデア100出しワーク』

”酒類・飲料プロセス技術開発No1”せんべいが語る『アイデア100出しワーク』とは?

エンジニアに新しい技術アイデアを考え出すためには、日頃からアイデア創出訓練をしておくことが重要です。素晴らしい画期的なアイデアを思いつくのは難しいですが、いろいろなレベルのアイデアを数多く出し、書き出してアウトプットしておくことが大切です。考案したアイデア創出ワークを使い、短時間で非常に斬新なアイデアを考え出すトレーニングを行っていました。このプロセスは、頭のワーキングメモリを空け、柔軟な思考を促進してくれました。また、このワークを実施すると自分自身の知識不足が認識でき、新たな情報や知識を得るための努力が大切だということがわかります。発想力を柔軟にし知識の不足を補いアイデアを山のように創出することで、新たな素晴らしいものに発展していきます。

どうして新しいアイデアがでないのか?

エンジニアの私がまだ相当若かりし頃、仕事が本当になくて毎日会社に行っては掃除ばかりをしている時がありました。「仕事がない」イコール「予算(お金)がない」ということなので展示会などに行くこともできません。
なぜ仕事がなかったかといえば、ものが売れなかったので、コストセンターのエンジニアリング部門にはお金など来るわけがありません。
若手のエンジニアができることといえば、エンジニアリングの知識をさらに増やして技術を磨くことでした。新しい技術アイデアを考えるわけですが、そう易々と出てくるわけでもありません。

想像してみてください いつまでも真っ白なノートを

一般的にアイデア創出といっても、良いアイデアなどはなかなか思いつくわけもありません。似たようなアイデアしか思いつかず堂々巡りになっていたり、考えてはいるが飛び抜けたアイデアに昇華しないものです。使えそうな具体的なアイデアにならないなど、アイデアを考えているあいだに悩むことが多く、目の前の設計ノートはいつも真っ白のままということがありました。

大切なことは、出し切ること

では、アイデア創出で重要なことは何かというと、ズバリ数を多く出すことです。そして書き出すことです。とはいえ単純に数勝負ということだけではなく、発想をしなやかにすることが重要です。そのためには自らの頭の中からアイデアというアイデア、思いつきという思いつきを出し切ることで、頭の中に空白のスペースを作り出してあげることが必要なのです。よく思考することをパソコンのメモリに例えることがありますが、ああでもないこうでもないと考え続けていても頭の中のワーキングメモリを使うだけで、そこにはゴミの情報が溜まり続けていきます。一旦思いついたものを外に書き出すことで、メモリを空けてあげることができるのです。これが単純ですが重要な作業になります。

禁断の「アイデア100ワーク」

ワーキングメモリの空きが大きくなれば、いろいろなことができます。そこで実施するのができるだけ数多くアイデアを出し続け発想力を磨くためのワーク、「アイデア100ワーク」です。このアイデア出しのワークを時間が空いたら実施して、頭のハードディスクに蓄えられた知識をどんどん組み合わせていき、頭の中をしなやかに柔軟にする練習をやっていました。

常識を超える「アイデア100ワーク」

ではこの「アイデア100出しワーク」というのはどのように実施するのかと言うと、プロセスのお題をつくり、短時間で100個の解決策を出そうと言うものです。もちろん普通にできることだけを考えていただけでは、100個もアイデアは出ないので、頭をひねってひねってひねって想像もつかないアイデアを出し続けるのです。さすがに「スーパーマンが空を飛んで運ぶ」とか、「念力で動かす」という方策はなしですが、あり得る方策であればいくらお金がかかろうが、手間がかかろうがかまいません。

まずは理屈抜きにやってみる

例えば、「港に着いた麻袋に入った大豆15袋が載ったパレットがあり、この大豆を倉庫に入れるための手段を100通り考える」というようなお題です。
それでは、10分間で考えてみてください。

1)フォークリフトでパレットごと運び込む
2)人が袋を担いで人力で運び込む
3)台車に麻袋を積んで人力で運び込む
4)電動台車に麻袋を積んで人力で運び込む
5)ベルトコンベアに一袋ごと乗せて運び込む
6)・・・・
7)・・・・

という具合に100通りのアイデアを考えて書き出し続けるのです。言葉で書けない時は絵で書いていきます。頭の体操になって楽しいものです。時間だけはたくさんあったので、いろいろなシチュエーションを想定してこの「アイデア100出しワーク」をやっていました。

出張目的がこの上なく胸を張って・・・

では、その方策を本当に投資して実現するのかというと、まず実施する事はありません。頭の中を空にしてワーキングメモリを解放することが目的で、それにより頭を柔軟に考える状態にすることができます。これをしていて痛感するのが自分の頭のハードディスクにインプットされている情報・知識の不足です。不足状態をしっかり理解できれば、新たなインプットのために展示会に行くというきちんとした目的・目標がたちます。展示会場に出店している業者様の営業マンにあいさつに行くような時間潰しの出張はなくなります。

「まず聞きに行け」といわれる存在に

「酒類・飲料プロセスアイデアなら、まず聞きに行け」といわれるようになれたのも、このような訓練を若いころから実施して、多くのプロセス技術情報の蓄えやアイデア、発想にいたる組み合わせの柔軟さを持てるようになったからこそだと思っています。

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