考案プロセス実現で見逃せない図面化の3ポイント

”酒類・飲料プロセス技術開発No1” せんべいが語る『考案プロセス実現のための図面化3ポイント』とは?

酒類・飲料プロセス設計をしていて避けて通れないのが図面です。図面を描く特にスケッチを描いてみるということは自分の思いを容易に伝えるとともに、早めに問題点を抽出することで成功率をアップさせることができます。私は3つのポイントを押さえて初期の図面やスケッチを作成していました。

設計したプロセスを伝えられなければ空想物語

プロセス機器の配置や動作、機能などで想定していた通りに伝わらないことは多々あります。どれだけひらめいた良いアイディアでも形にならないとただの空想物語に過ぎません。アイディアが秀逸でも、設備を作る人、使う人に伝わらなければ実現できません。

ただ、言葉で説明しようとしてもなかなか伝えられないものです。ましてや本当に新しい機能を盛り込んだ場合などは想像すらできないでしょう。

私の場合も同じでした。例えば、液入口はタンク上部で中心に向かって45度の角度で注入すると、内部液の反応率が上がって、泡の発生を受けずに…というような説明をいくらしたところで、相手の頭の中は「???」。全く理解してもらえていませんでした。

そこで必要となってくるのが図面です。

図面・スケッチはものを言う

図面といっても、設計図や施工図というようなCADで描いたきっちりしたようなものではなく、ぱっと見てわかる見取り図的な初期図面やスケッチのようなものが描けるかどうかが重要です。

打ち合わせをするときも、機器加工を依頼するときも、使い方を説明するときも、言葉でいくら説明するよりも絵が1枚あれば、一方通行の説明ではなくなり、相手から良質な質問をもらうこともでき、問題点や改善策もどんどん出てきます。

視覚情報の多さがしっかりとものを言ってくれるので重要なのです。

私が酒類飲料プロセスに関してアイデアを説明するときはいつも失敗したコピー用紙の裏にいろいろスケッチをしてからにしていました。失敗コピーなので何度描き直しても気になりませんし、描き直しているうちに精錬されていきます。

初期図面・スケッチを描く3つのポイント

さて、このスケッチですがきれいに描く必要は全くなく、ボールペンやサインペンで描きなぐっていました。私が考えるアイディアスケッチを描く3つのポイントというのがあります。

1つ目は『シンプルにする』、2つ目は『肝となるところは詳しく』、3つ目は『立体的にひと目でわかるように』というものです。

『シンプルにする』

まず1つ目の『シンプルにする』は簡潔にさっと分かってもらえるように伝えることが重要なので、太い線や四角形、丸といった簡単な形で表現することがポイントです。色を使うのは良いのですが、使いすぎるとわからなくなるので3〜4色に留めておくようにしていました。

『肝となるところは詳しく』

2つ目の『肝となるところは詳しく』というのは、単なる全体図ではなく、必要なところについては自分の考えを組み込んだ設計プロセスを示すことが必要となります。そのため伝えたいところは省略せず、さらに説明を付け加えたり、拡大図を描いたり、前後・上下関係などの関係がわかるものにして理解を深めてもらえるようにしていきます。

『立体的にひと目でわかるように』

3つ目の『立体的にひと目でわかるように』というのは、ひと目でわかるようにするのに、平面図にしてみたり、展開図などの2次元ではなく、シンプルであっても3次元の立体的にわかるような図にすることが重要です。2次元の組み合わせでは、なかなか聞き手が出来上がったプロセスがどんな形なのか想像するのが難しく、多分想像すらできていないことでしょう。立体的な絵にすることで理解してもらうことが可能です。

これらの肝やポイントを押さえて描いていくわけですが、一朝一夕にはうまく描けるところまで到達できません。やっぱり苦労・練習が必要です。

実際に図面・スケッチを描くまで

私の場合はまずは現場をよく見ることからスタートしていました。酒類・飲料のプロセス設計をするときは半日位その現場にいたり、毎日違う時間に見て訪れて時と見ることが多かったです。

あとは図面を描く上での基本となる等角投影法や斜投影法を理解しておくことでしょう。中学校で習ったレベルで十分ですので思い出してみるのがいいです。手元にある簡単なものを斜め上から見て描く練習をしてみると良いです。私は暇なときは雑書きで立体図を描いていました。せっかく浮んだ自分の思いをしっかりと伝えるために、ちょこちょこっとペンを手にしてみるというのが大切です。

まとめ

酒類・飲料のプロセス設計において、自分のアイディアを形にするためには、機器を加工し作ってもらう人や使ってもらう人が簡単に理解できて「なるほど、いいね! 使ってみたい!」と言ってもらうことが一番です。そのためにはスケッチ元が最もわかりやすい手段でした。手書きでシンプルでも心は伝わるものです。下手でもいいのでまずは描いてみることからスタートです。

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